投稿

3月, 2022の投稿を表示しています

[TFT 6.5] 体力を守ることの大切さについて

イメージ
チャレンジャーによるパッチやメタに左右されない解説 今回は体力の大切さについて はじめに TFTにおいて負けるとは体力が0になることであり、勝つとは体力が1以上で試合を終えることです。 よって、体力はとても大事なのですが、実際に配置等を工夫して体力を少し残すのがどれだけ大切かあまり実感が湧かないと思うので実験を行いました。 TFTのかなりの要素を削ぎ落した簡易的な実験であるため、あくまでも参考程度のものではあります。 実験設定 対戦相手は毎回ランダムとし、勝率は常に50% ダメージの計算式はTFTの仕様の通り  ( TFT Player Damage Formula - TFT Stats, Leaderboards, League of Legends Teamfight Tactics - LoLCHESS.GG  を参照) 各プレイヤーはスタンダードなレベル上げを行ったものとする 勝者側の半分のユニットが生き残ると仮定とする 100000回試合を繰り返してその平均を取る 実験結果 実験設定にある設定のもと、プレイヤー1の初期ヘルスを調整することによってヘルスを守ることでどれほど平均順位が変わるのかを出力しました。 add 0 healthで平均順位がちょうど4.5になっていないのは誤差によるもので、0.01ほどの平均順位の誤差があることが分かります。 体力を3守るだけで平均順位が0.22ほど上がっており、これが大きい数字であることはTFTプレイヤーならわかると思います。 もし30体力を守ることができれば平均順位2.62という恐ろしいことになります。 (実験に用いたソースコード:  TFT_health.cpp (github.com)  ) 体力の守り方 体力を守る大切さがわかったところで体力の守り方についても触れようと思います。 基本的に勝ちに行っているようなラウンドは普通にプレイすればいいので、どうやっても勝てそうにない盤面の時にどうやって相手のユニットを削るかについて軽く触れようと思います(1ユニット減らせれば体力が2増えます)。 特にステージ2~3において意識するといいと思います。 1. 偵察をして相手の弱い駒を最初に全員で狙うようにする 味方の駒が相手の同じ駒をターゲットするように配置するのは基本ですが、偵察して...

[TFT set6.5] マナの話

イメージ
チャレンジャーによるパッチやメタに左右されない解説 今回はマナについて はじめに TFTにおいてスキルを打つ速度というのは非常に重要です。 スキルの回転を速くするためのアイテムとしてショウジンの矛とブルーバフどちらの方が効率がいいのかという話題はよく上がりますが、今回はそのあたりを話題にしていこうと思います。 マナの基本仕様 - 通常攻撃によって10マナを獲得する(攻撃が回避されてもマナは溜まる) - 攻撃を受けるとそのダメージに応じてマナを獲得する (防御を無視したダメージの1%分と実際に受けたダメージの7%で、最大42.5) - 一度スキルを打つと1秒ほどマナを回復しなくなる(チャンピオンによってはもっと長い) - チャンピオンごとに初期マナの量が決まっている ( Mana (Teamfight Tactics) | League of Legends Wiki | Fandom  を参考) 直接マナを獲得する手段 - オーグメント(ブルーバッテリー、サイバネアップリンク、瞑想) - 特性(スカラー、ソーシャライト) - アイテム(涙系列) 間接的にマナを獲得する手段 - 攻撃速度を上げる - 前衛に配置する スキルを打つまでの時間の計算例(オリアナ) オリアナは後衛の駒なので、被ダメはないものとします(実際はその分もう少しスキルを打つのが早いはずです) また、各種マナ回復は本来離散的ですが、計算の都合上連続的に回復するものとします - アイテムやオーグメントによるマナ加速がない場合 攻撃速度0.75なので通常攻撃によるマナ回復は秒間7.5です 初期マナが50でマナが130なので、最初のスキルは 10.7 秒後に打ちます 2回目のスキルはマナロックなどを無視すると 28 秒後に打ちます - スカラー2の特性が出ている場合 攻撃速度0.75なので通常攻撃によるマナ回復は秒間7.5です スカラの特性により1秒当たり2.5マナ回復します この場合、最初のスキルは 8 秒後に打ち、2回目のスキルは 21 秒後に打ちます - ラピッドファイアキャノンを持っている場合 ラピッドファイアキャノンの効果: 攻撃速度が55%増える(他にも効果があるが今回は関係ない) 攻撃速度が1.16になるので通常攻撃によるマナ回復が秒間11.6です 最初のスキルは 6.9 秒後に打ち、...

[TFT] 上振れ下振れの話

イメージ
チャレンジャーによるパッチやメタに左右されない解説 今回は上振れ下振れについて はじめに ポーカーや麻雀などにある程度ちゃんと触ったことがある人は理論的な上振れ下振れ範囲(down/up swingや確変などともいわれる)のグラフを見たことがあると思います。 TFTも運の絡むゲームなので当然上振れ下振れが存在しますが、理論的に何LPぐらいまでなら誤差の範囲内なのか気になる人もいると思うので検証してみました。 今回の実験では LP変動は以下の通りとしています 1位: +45LP, 2位: +35LP, 3位: +20LP, 4位: +10LP, 5位: -10LP, 6位 -20LP, 7位 -35LP, 8位 -45LP 実験1 仮定 平均順位は 4.5(普通の人) 10人でシミュレーションしたグラフ 100人でシミュレーションしたグラフ この数字をどう見るかは人それぞれですが、個人的には思ったよりもかなり変動が大きかったです。 実際にこれほど変動してる人は少ないと思うので、TFTには実力の要素が大きく、レートが下がれば勝ちやすくなるしレートが上がれば勝ちにくくなることによって変動が抑えられてるのだと考えられます。 実験2 実験1の設定だと、LPが落ちても上がっても勝率が一定で少し現実的ではありませんでした。 そこで、100LP落ちれば平均順位が0.1上がり、100LP上がれば平均順位が0.1下がるといった設定で実験を行ってみます。 具体的には、 (1~4位を取る確率):  0.125  - (LP diff) × 0.0000625 (5~8位を取る確率):  0.125 + (LP diff) × 0.0000625 とすれば100LPの変動ごとに平均順位が0.1変化します。 10人でシミュレーションしたグラフ 100人でシミュレーションしたグラフ 適正から±300LPぐらいで大体収まっており、変動的には500ほどブレることがグラフからわかります。 なんとなくですが、実際のLP変動の感覚に近い結果になったと(個人的に)思います。 まとめ 実際に1000試合も回せる人は少ないですし、グラフだけ見ると運ゲー思ってしまいがちですが、LP補正をした実験2を見ると、大体適正のLP付近でうろつくことになることがわかります。 とはいえ適正地点にいて...

[TFT set6.5] 魔法防御貫通の話

イメージ
チャレンジャーによるパッチやメタに左右されない解説 今回は魔法防御貫通について 物理系の構成に向かうときにラストウィスパーを積む人は多いですが、魔法系の構成に向かうときに魔法防御貫通を意識してる人少なくない?と感じたので記事にしてみます。 魔法防御込みの魔法ダメージの計算式 魔法ダメージ × 100 ÷ (100 + mr) (ただし、mrは防御駒の魔法防御) ちなみに、物理ダメージについても同様に以下の式で計算できる。 物理ダメージ × 100 ÷ (100 + ar) (arは防御駒の防御力) ちなみにグラフにするとこんな感じ mrが既に高ければ高いほどmrを積む効率は悪くなる 魔法防御を増やす方法 今回の趣旨とは少し逸れるが、一応触れておく。 エンチャンターやシンジケートなどの特性を出す オーグメントの効果 アイテムの効果(特にネガトロンクローク派生のアイテム) 特に、ドラゴンクローというアイテムを積むと魔法防御が200増えるため、アンチ魔法系構成のアイテムとなっている。 魔法防御を削る方法 マルザハールのスキルに感染すると40%mrが削られる スタティックシブ(アイテム)の効果で敵4体のmrが半減する アイオニックスパーク(アイテム)の効果で2マス以内の敵のmrが半減する 魔法防御を削る方法は比較的少なく、この記事では特にスタティックシブやアイオニックスパークを作ることによってどれだけ削りやすくなるかについて触れていく。 マルザハールのスキルは単体スキルなので、マルザハール単体キャリーの場合は他の魔法防御低下アイテムを積む価値が下がるが、マルザハールがキャリーでない場合は魔法防御低下の観点からは頼りない。 魔法防御を削るという観点からはスタティックシブよりはアイオニックスパークのほうが安定して相手の魔法防御を削ることができる。 魔法防御を削る効果 駒のデフォルトのmrの値は大体40ぐらい。 エンチャンター2が出ていると仮定すると駒のmrは65ぐらいになるので、一旦mrは65と仮定する。      魔法防御貫通がない場合      base × 100 ÷ (100 + 65) = 0.61base      魔法防御貫通50%がある場合    ...

[TFT set6.5] 皆大好きヨド6構成

イメージ
チャレンジャーによるパッチやメタに左右されない解説 今回はヨド6構成について 皆大好きな(?)ヨードル6構成について解説してみようと思います。 ヨードル6構成のいい点 - 構成移行とか考えなくてよくて楽 - どんどん星3になるので気持ちいい - ベイガー星3の夢がたまに見れる - 適切な場面で適切に運用できれば普通に強い チャレンジャー帯でも以下のように(たまには)勝てます ヨードル6構成の悪い点 - ほとんどの場面では弱く、星3を諦めて利子にしたほうがいい - ヨードル6が楽しいので誘惑に負けてLPを溶かしがち ヨードル6にいつ向かっていいのか - 1-4でヨードル6と相性のいいオーグメントが引けたとき - 2-1でヨードル3が出せ、ヨードルが合わせて5体ぐらいはいるとき 特に相性のいいオーグメント例 ・戦略的敗北、フェザー級、とっても小さい、トレードセクター 汎用オーグメント(お金がもらえたり配置でバフされたりするオーグメント)でも向かってもいいが、その分ヨードルがたくさん集まっていないと厳しいことになる ヨードル6の進行 アイテムの積み先 - ポッピー、ジグス、ルル     - 何 も積まない(ゼファーとか帳のようなユーティリティアイテムは積んでもいい) - コーキ     - ap系のアイテムを積む(ブルーバフ、デスキャップ、モレロなど) - ナー     - ad系のアイテムかタンクアイテムを積む(血剣やデスブレ、ブランブルベストなど) - ヴェックス     - タンクアイテムを積む(ブランブルベスト、サッシュ、ワーモグアーマーなど) ナーもヴェックスもいない状態でタンクアイテムが作れる時などは、ヨードル6が出るまでヨードル以外の駒にアイテムを持たせておく(大切)。 キャリーはナーかコーキで、ソーシャライトスポットが前にある場合はナー、後ろにある場合はコーキがキャリーになりやすい。 ステージ2   - ヨードル以外の駒については利子を取れるならば全て売る - ヨードル以外の駒はシナジーが上手く出るように選ぶ - レベルにお金を振らない - 2-7のモブの段階では何らかの駒が星2になってるはずなのでレベル4のままでモブには勝てる - 前衛が薄いときはルルや星2のジグスも...

[TFT set6.5] クリティカルダメージ考察

イメージ
チャレンジャーによるパッチやメタに左右されない解説 今回はクリティカルダメージについて [前準備編] アイテムの略称 頻繁に出てくるアイテムについてはその略称で呼ぶのでその一覧をまとめておく。 ジュエルガントレット = JG インフィニティエッジ = IE ラストウィスパー        = LW スパーリンググローブ = グローブ ラバドンデスキャップ = 帽子 デスブレード               = デスブレ ダメージの種類 - 物理ダメージ - 魔法ダメージ - 確定ダメージ このうちクリティカル効果が乗るのは 物理ダメージ のみ(通常攻撃は勿論、 スキルによる物理ダメージでもクリティカルは乗る )。 魔法ダメージ や確定ダメージについては、アサシンの特性を出す、JGを積む、ジュエルロータスというオーグメントを取る、ことによりクリティカル効果が乗るようになる。 また、攻撃速度増加や回復、シールド付与などの効果を持つスキルもあるが、それらにはクリティカルが乗らないことにも注意。 クリティカル込みのダメージ計算法 ベースのダメージをbaseとした場合、クリティカル込のダメージは base * ((1.0-クリティカル率) + クリティカル率 * (1.0 + クリティカルダメージ)) で計算できる。 デフォルトで全ての駒は25%のクリティカル率を持っており、30%の追加ダメージを付与する。 よって、何もバフがない状態でのダメージの期待値は base * (0.75 * 1.0 + 0.25 * 1.3) =  1.075base となる。 計算式から、ダメージを上げるためにはクリティカル率を上げることも大事だが、baseダメージを上げることが大事であることがわかる。 クリティカル率、クリティカルダメージの上げ方 アサシンの特性を出す スパーリンググローブ派生のアイテムを積む(特にIEとJG) オーグメントの効果 IE vs デスブレ ad系のチャンピオンでよく積まれるIEとデスブレを比較してみる IEの効果 - 攻撃力+10、クリティカル率+75%、クリティカルダメージ+10%、回避率+10% - 100%以上のクリティカル率をクリ...